鍼師を目指すまで その3

2008年4月から、現在のイーピーエスホールディングス株式会社、当時はイーピーエス株式会社。新薬開発支援事業の企業に就職。企業内での施術所でマッサージの仕事をしながら、鍼灸の勉強。
数年の間週に数回仕事の後深夜まで勉強し、知人に治療をさせてもらいという日々が続き治療も続け、ようやくアトピーも見た目にわからないところまで回復、それまで蓄積してきた病の元も返済が進み、心も体も以前より明らかによくなっていきました。
掌の感覚も少しずつよくなってきた。
いつしか自分が治るために始めた東洋医学の勉強が、誰かにもこの体験をしてもらいたい、という思いに変わっていきました。
そんな頃、鍼灸の学術団体の一般社団法人北辰会に出会いました。
そこで出会った藤本蓮風先生はじめ、北辰会の先生方が、私の人生を決定づけることとなりました。
全科に対応できる学術、難病などの現代医学で治療困難と言われている病を治してこそ、真の東洋医学の存在価値を示すことができる。という信念、それを理想論でなく実績として数多く挙げておられること、その実績をロジカルに解き明かし、東西両医学の尺度で俯瞰したデータで示していたことに度肝を抜かれました。
独りの名人でなく100人の後進が生まれることに力を入れておられたことにも共感しました。
次々に藤本先生が出版されている書籍を読み、学ぶことの喜びを教えられました。
それまで、教養をはじめ、勉強というものをたいしてしたことがなかったものですから、本当に一から、すべてのことを学びなおそうと気持ちを改めることにしたのがこの頃でした。というのも、東洋医学の医者というのは、病だけを見るのではだめだ。病が何故起こったのか、その原因、その原因を引き起こす周辺をも観察すること。その方が取り巻く自然環境、人間関係、社会環境、生活習慣、人間性、すべてを理解して治療する。人間学なのだと。だから、医者は、医学の勉強だけでなく、教養が深く、哲学や政治など、あらゆる学問に明るくあることが重要なのだという教えを受けました。
また、治療をする側の人間力が極めて重要だとも教わりました。

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